天然の電解質である海水を電解して水素を得る研究に取り組んでいます。海水電解はすでに実用化されており、山口県内の企業で盛んに行われています。下図はソーダ電解工業で用いられる電解槽のイメージ図です。

日本ソーダ工業会ホームページより

海水電解では、水素は陰極から生じます。同時に陽極からは塩素が発生します。熱力学的には酸素が発生するはずなのですが、実際には速度論的に困難であり、塩素が生じます。そこで、塩化物イオンが含まれる溶液でも選択的に酸素を生じる陰極の開発が必要です。

また、海水ではなく、純粋な水の電解であっても、酸素発生は大きな抵抗を生じ、ボトルネックになります。そのため、安くて高効率な酸素発生用触媒が必要です。中山らは層状二酸化マンガンのナノ空間にコバルトイオンを閉じ込めた「シングルイオン触媒」が高い酸素活性を示すことを報告しています。これは酸素を選択的に生成する触媒につながる技術と考えています。

 
 

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